言葉のカタチ

言葉にならないものをカタチにしよう

博多祇園山笠が始まる櫛田神社と御祭神

例年なら山笠が終われば博多に夏が来る、と言われますが今年は暑さが前倒し。
太陽と人の熱気ですでに暑い、お櫛田さんです。
f:id:YazakiK:20180804220431j:image

f:id:YazakiK:20180804220507j:image
7月1日、山笠の開始で神社の境内には桟敷席が組まれ、縁起物の菓子なども売られていました。
 
境内には「霊泉鶴の井戸」があり、この暑さに一口喉を潤したかったのですが、平成28年秋から飲用は中止されていました。

f:id:YazakiK:20180804220540j:image
もともとは不老長寿の水として、若干の水を三口に分けて飲むのが信仰上の飲み方のようです。
しかし、行政上の指導により飲用水は水質検査、成分分析を度々行う必要があるために飲用中止となったそうです。
 
この霊泉は本殿のほぼ真下から湧き出ているのですが、いつ頃からか塩分濃度の高い水質に変わったとのこと。
 
確かにこの霊泉を飲んだ人の談によると、かなり塩辛いそうです。
「若干の水を三口に分けて」飲むのは、そういう理由なんですね。
喉を潤すどころか、かえって喉が乾いたかもしれません。
 
 
淡い涼しげな色の桔梗や、青々とした楓に目をやって、気分だけ涼みます。
f:id:YazakiK:20180804220608j:image
f:id:YazakiK:20180804220641j:image
 
境内には博多塀も移築保存されています。
博多塀は豊臣秀吉が進めた戦災復興によるもので、焼け残った瓦や石を塗り込んであります。
丸瓦や石があるため、平瓦と土で作られた練塀とはまた違った趣で、現代アートに通じるデザインの面白さがあります。

f:id:YazakiK:20180804220730j:image
 
こちらは楼門。
楼門の天井には恵方盤があります。

f:id:YazakiK:20180804220759j:image

f:id:YazakiK:20180804220833j:image
今年の恵方は南南東ですね。
 
ところで櫛田神社の御祭神ですが、私は福岡に来て以来ずっと「櫛名田比売」だと思っていましたが、違いました。
 
御祭神は大幡主大神、天照皇大神、素盞鳴大神の三柱。
櫛名田比売はヤマタノオロチの生贄になるところを素盞鳴大神に救われ、後にその妻となるので無関係ではないのですが。
大幡主大神がどのような神様なのか、はっきりした記述を見つけられないのですが、
別名「大若子命」で、天照大神を伊勢の地に鎮座される際に、地元の豪族として功績があり、また越の国の征討を命じられて平定したところ「大幡主」の名を与えられたそうです。
 
櫛田神社は、三重県松阪市にある「櫛田神社」から757年に勧請したのですが、この三重県の櫛田神社は伊勢湾に注ぐ「櫛田川」下流にあることから社名はここから来たのではないかと思われます。
この「櫛田川」の名前の由来は伊勢の斎宮の起源とされる倭姫命が櫛を落とした地を櫛田と名付けた伝説があり、川の名はその地にちなむとか。
 
「櫛名田比売」の櫛田ではなく「櫛田川」の櫛田。
多分そういうことでしょう。
 
思いこみはこわい、ということでこのあたりにしておきます。