仁和寺観音堂の荘厳
九州国立博物館で7/3~9/2まで展示されている「仁和寺観音堂 千手観音像とその仲間たち」を見てきました。
仁和寺は真言宗御室派総本山。創建から1000年以上の歴史を持つ京都の古刹です。
仁和寺でも重要な場所である観音堂は928年建立、1644年に再建されたのですが建物の傷みが激しく、2012年度から修理がされています。
そのため観音堂内の像は九州国立博物館に運ばれ、剥落止めなどの修理が行われました。
この2018年度中に修理がすべて完了する記念に、本尊の千手観音像他全三十三体を一堂に公開したのです。
しかも撮影も許可されていました。
展示室に一歩入った幾人もの人たちから「うわー」という溜め息のようなが聞かれました。
千手観音菩薩立像を中心に、向かって左に不動明王立像、右に降三世明王立像。さらにその両側には二十八部衆立像が立ち並び、一番左に風神立像、右に雷神立像が立つその壮観な様に、思わず声が出る気持ちはよくわかりました。
諸像の圧倒される力強さと美しさ、静かで厳かな空間。
別世界に足を踏み入れたかのように、他の展示室とは空気がまったく違いました。
薄暗い展示室に千手観音像、二十八部衆の鎧や冠、仏具が金色に輝いていて、沈静の美の極みです。
日本の仏教は日常からかけ離れた別世界のような美しさで、人々を魅了してきたという側面を見た気がします。
9/2で展示は終わりますが、もう一度見たくなる素晴らしさでした。