言葉のカタチ

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名島神社と帆柱石

香椎宮と筥崎宮の間に位置する名島神社。

御祭神は宗像三女神ですが、神功皇后縁の地です。

 

神功皇后は三韓出兵へこの地から出発する際、宗像三女神に必勝を祈願し、兵士に氏名を名乗らせ乗船しました。これによってこの地は「黒津」が「名島」と呼ばれるようになったと伝えられています。
神功皇后が朝鮮半島から戻られてここに上陸し、宗像三女神を勧請してお祀りしたのが名島神社の起源とのことです。

 

西鉄貝塚線の名島駅から徒歩15分くらい。

私は名島駅から歩いて、名島運動公園を囲む北側の道を通って神社に向かいました。

そのルートを通ると、名島神社の本殿裏手に通じる裏参道からのお参りとなります。

小高い丘に上るような坂道になっていて、境内に入ると木の香りと潮の香りがしました。

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拝殿はまだ木の色が新しく、平成23年(2011年)に改修されたようです。

本殿を囲む玉垣に白虎が配されていて、四隅それぞれに四神の陶板(?)がありました。f:id:YazakiK:20180907004136j:image

魚の石像。

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拝殿を背にすると眼下に海が見えます。

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本殿裏手には

豊受宮

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恵比寿社

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大黒天社

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妙見宮

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が並んでいます。

 

また、拝殿に向かって左手には「豊川稲荷神社」の朱の鳥居が並んでいます。

緑の中にちょうど陽光を受けて鳥居が美しく映えていました。

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豊川稲荷神社の本殿。

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その裏手には「奥の宮」への鳥居があります。

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豊川稲荷神社本殿から奥の宮はすぐです。

奥の宮の社と石窟が並んでいます。

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本殿まで戻ると上への階段があり、名島城址公園の入口です。

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見晴らしのいい公園ですが、木が茂っていて今回は周囲がよく見渡せませんでした。

目の前は海が迫っていて、ここに城があったなら港の様子を一望できたでしょう。

 

今は緑が美しい公園ですが、春は桜の名所とのこと。

桜の季節にまた来てみたいものです。

 

 

名島神社拝殿に向かって右手の方にある「名島弁財天 宗栄寺」。

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もともと神仏習合でともに祀られていた弁財天を、明治の神仏分離令で分けたのだそうです。

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そのせいか、神社のような外観の社殿。鈴の代わりに銅鑼であったり、少し下がってみると蝋燭や線香立てがあってお寺だとわかります。


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弁財天が祀ってあるところは、神社なのかお寺なのかわからないところがあって、どちらであってもお参りする気持ちは変わりませんが、柏手を打っていいのかどうかを悩みます。

 

境内には弁財天像と縁の蛇がたくさん祀ってありました。

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他にも地蔵堂、

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三日恵比寿神社

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毘沙門天堂

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をはじめ、石仏なども多いのでゆっくりとお参りする時間があるときにまた行ってみたいです。

 

さて、一旦名島神社境内に戻り、表参道の階段を下りて海岸へ。

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名島神社の木造の鳥居。

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石造りですが海の間際のためか表面が磨滅した一の鳥居。

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そして、今回見たかったのが帆柱石(ほばしらいし)です。

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神功皇后の朝鮮出兵の際の軍船の帆柱という伝説があります。

が、実際は約3500万年前に堆積した地層中に含まれるカシ属の樹木の化石です。

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九州の半分を火砕流が覆ったとされる阿蘇山の大噴火でさえ9万年前なので、3500万年前といっても全く想像がつかない遠い時間です。


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もっと近づけるかと思ったのですが、割と距離がありました。

潮が引くと岩場を伝って行けるのかもしれませんが、写真が撮れたので良しとします。

 

帆柱石の近くにあった碑。

こういう歴史もここにはあるのですね。f:id:YazakiK:20180907104956j:image

帆柱石からそう離れていない道路脇には、「縁石」もありました。

神功皇后が朝鮮出兵から戻られた際に腰掛けられたとされる石で、安産や縁結びの御利益があるそうです。

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駆け足で巡った名島の地。

この海岸は潮干狩りのシーズンには賑わうらしいのですが、この時は人気もなく古代に思いを馳せながら歩くには静かでいいところでした。