古典が苦手な方におすすめの平安ラブコメディ「なんて素敵にジャパネスク」
春は吹雪散る桜花
夏は枝垂れる藤花
秋は燃え映ゆる紅葉の錦
冬は降り積もる白雪・・・
奈良県の桜の名所、吉野山の四季の移り変わりを表したこの文章、氷室冴子さんの「なんて素敵にジャパネスク」のものです。
皆さん、古典好きですか?
「なんて素敵にジャパネスク」は平安時代のお転婆な姫君が、恋に政争に大暴れするラブコメディ・・・なんですが、結構人間ドラマが深くて読み応えがあります。
私が「源氏物語」や「枕草子」など平安時代の文学を読むようになったのもこの作品がきっかけでした。
冒頭の吉野を描写したシーンは2巻にあります。
主人公の姫君と、その初恋の君との話ですが、美しい吉野山を舞台にした美しくて悲しい物語はシリーズ中でも人気の高い作品です。
作者の氷室冴子さんが亡くなって今年で十年。
「なんて素敵にジャパネスク」も三十年くらい前の作品ですが、集英社のコバルト文庫で新装版が発売されており、Kindle版もあります。
古典の勉強が嫌だなとか、苦手だなと思う中高生の皆さんも、このへんから入ってみてはどうでしょう。
同じ作者の「ざ・ちぇんじ」は実際の平安文学「とりかえばや物語」を下敷きにしているので、こちらもぜひ!
どちらも山内直美さんによって漫画化もされていますので、まず漫画からというのもアリです。