言葉のカタチ

言葉にならないものをカタチにしよう

香椎宮と古宮と不老水

香椎宮参拝。

祭神は主神が仲哀天皇、神功皇后、配神が応神天皇、住吉大神です。
昨日参拝した宮地嶽神社の祭神の一柱は神功皇后で、同じ福岡市の筥崎宮にも応神天皇、神功皇后が祀られています。

神功皇后は夫である仲哀天皇が香椎の地にて亡くなった後、住吉大神の神託によって、後の応神天皇を懐妊したまま三韓征伐を行い、帰国後出産するという、かなり劇的なエピソードをお持ちです。
舞台となった北部九州沿岸にある大きな神社には、夫君仲哀天皇か御子応神天皇とともにお祀りされていることが多いようです。

社殿は檜皮葺で朱色の建物が周囲の緑に映えていました。本殿前に幣殿、その手前に拝殿という珍しい配置で、本殿周囲は透塀が巡っています。朝廷からの勅使が派遣される神社ということに依るのだと思います。

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香椎宮の本殿から少し離れたところに、仲哀天皇の行宮「橿日宮」の地であり、その神霊を祀った廟が建てられていた地「古宮」(現在は社殿はありません)がありました。
閑静な住宅地の一画に木々が茂る静謐な場所が残っており、そこに香椎の地名の由来になったという「棺掛椎(かんかけしい)」がありました。

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その奥には「橿日宮」の跡地を示す石碑があるのですが、丈高く茂る木々の隙間から差し入る太陽の光が美しく、しばらくその場に佇んで清浄な気を浴びていたくなるような心静まる場所でした。

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古宮を出て、その脇の道をさらに行くと瀟洒な住宅とのどかな田園風景が入り交じり、青葉が美しい山が迫ってきます。
その山を背景にして霊泉「不老水」がありました。

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祠のような建物の中にある霊泉は思ったよりもこじんまりとして、水位も低かったのですが澄んだ水を湛えていました。
小さなマグボトルを持参していたので、その分だけお水を頂きました。帰宅して一口飲んだところ、冷たくまろやかな水でした。生水は飲まないようにしているので、残りは沸かしてお茶を頂きましたが、沸かさずに冷たいまま飲むのが一番おいしい気がします。

不老水から再び境内に戻り、鶏を石に変えて祀っているという鶏石神社にお参りをして「修理固成(しゅりこせい)御守」を受けました。「修理固成」は「つくりかためなせ」とも読んで、念願だった諸事万端がいよいよ成就する御利益があるそうです。
私は酉年ということと、御守りがたまごのような楕円形でかわいらしかったので一目で気に入ってしまいました。

境内の池には菖蒲が少しですが咲いており、その周囲はツツジが咲き始めていました。1600株のツツジが植えられているということなので、これから満開になったらさぞ見事な景色でしょう。

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香椎宮は青空と新緑と花の色が美しい神社でした。
本殿に参拝された方は、ぜひ古宮、不老水まで足をのばしてみてください。不老水までは本殿から約300メートルで十分かかりません。