言葉のカタチ

言葉にならないものをカタチにしよう

福岡市の繁華街に鎮座する警固神社

福岡の中心街天神にある西鉄福岡天神駅の裏手、国体道路沿いに警固神社はあります。

 

冬のイルミネーションで有名な警固公園の隣に神社があるのは知っていましたが、あまり意識したことがありませんでした。天神の街中なので、小さな無人の神社だろうと思い込んでいました。

 

今回神社の前を通り、大きな鳥居の奥に立派な社殿が見え、しかも茅の輪が設けられているのを見て、こんなちゃんとした神社があったことを、十数年見逃していたことに驚きました。

 

境内も広く、警固公園の半分近くあるようです。

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警固神社の御祭神は八十禍津日神(やそまがつひのかみ)、神直日神(かんなおびのかみ)、大直日神(おおなおびのかみ)の三柱。

 

八十禍津日神はイザナギノミコトが黄泉の国から帰って禊をしたときに生まれたあらゆる災厄の根源となる神です。

その災厄をよい状態に直す神が、神直日神、大直日神。

 

災いの力が大きいほど、それを正しく直した時、その善き力も大きなものになるということなのでしょう。

 

神社の鳥居は、糸島市の可成山から切り出した石で、糸島市の可成山の御影石は初代藩主黒田長政によって日光東照宮に大鳥居として寄進され、その後江戸幕府の要請で江戸城内の紅葉山東照宮にも同じ石を使った鳥居を寄進しています。

紅葉山東照宮の鳥居は明治政府によって上野東照宮に移築され池之端参道に立っているそうです。

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つまり、日光東照宮、上野東照宮、警固神社の鳥居の石は同じ場所のもの。

上野東照宮といえば、先月東京に行った際にお参りした私の好きな神社です。

こんなところに繋がりがあるとは、思ってもみませんでした。

 

手水舎の水盤は御影石をくりぬいたもので排水口がなく、 水盤から水が溢れることで常に新しい水を湛えているそうです。

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凛々しい狛犬。

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境内には御神水と、神社には珍しい足湯があります。

御神水は湧水ではなく、地層を再現した「ミネラルクリスター」から作られた水ですが、境内に湧く水だから神水なのではなく、神域にある水だから神水ということで、誰でも頂くことができるようになっています。

ペットボトルも社務所で販売しているようです。

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足湯も同じく「ミネラルクリスター」の水ということで、料金は定められておらずお賽銭という形で利用できるようです。こちらは社務所でタオルが購入できます。

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 社殿は端正な佇まいで、正面に立つと背筋が伸びるようです。

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社殿の右手奥には「天照皇大神宮」、左手奥には「菅原神社」もあります。

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警固神社のお守りは「御固り(おまもり)」と言うそうですが、お固り袋は博多織です。

そして「固」の文字を元にデザインされた、現代的な社紋がお固り、御神籤、絵馬にもあしらわれています。

 

御神籤は季節ごとに色が変わり、今は青でした。

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絵馬も御神籤と同じ四色があり、こちらはピンク、青、黄、赤から好きな色を選べます。

「願い事が叶いますように」と書かれたシールも一緒に頂けるので、願いごとを書いた後はこのシールを貼って、他人から読まれないようにできます。

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どれもデザインが素敵で、つい欲しくなります。

ぜひ授与所でご覧になってください。

 

 

隣接する今益稲荷神社。

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今益稲荷神社には四体のお狐様の像があります。

手前のお狐様は厳しいお顔で辺りを見渡しています。

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拝殿前の二体は笑ったお顔のお狐様で、表情はユーモラスです。

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拝殿の正面はちょっと変わっていて、ブラインドのような木の間からお賽銭を入れます。

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今益稲荷神社の「笑いきつね神籤」。

拝殿前の二体のお狐様がモデルのようですね。

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笑いきつねみくじと微笑みきつねみくじがあり、こちらは微笑みきつねです。

黄色い巻物がお神籤です。

 

境内の端、国体道路の歩道との境の玉垣の辺りには大きな木々があり、その奥に祠のようなものがあったので近づいてみました。

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石積みの祠には「猿田彦」と彫ってあり、その中にはやはり「猿田彦大神」とだけ刻まれた石碑か石板のようなものがありました。

 

大木の根に持ちあげられるようなこの祠、なんの説明書きもありませんでしたが、木がまだ大きくない頃にその場に建てられたのでしょう。

ちょっと気になる祠です。

 

 

警固神社の境内は緑も水も足湯もあり、街中の喧騒に疲れたときには境内で少しの時間静かに過ごすのも、気分が変わっていいのではないでしょうか。