言葉のカタチ

言葉にならないものをカタチにしよう

小学生の頃に夢見た「自宅図書館化計画」の結果

小学生のころは、ひと月幾らというお小遣いの中から本を買っていました。

文庫本が一冊か二冊買えるくらいの金額です。

 

買った本を読み終えても、新しい本を買うには次のお小遣いまで待たないといけない。だから読み終えた本を何度を読み返して、次に本が買えるのを楽しみにしていました。

 

その頃の夢は「いつか自分の家を図書館のようにしたい」でした。

本を貸し出したいわけではありません。自宅に読んだことのない本がたくさんあって、その中からその時読みたい本を選んで読む。

新しい本を我慢しなくていいように。

 

社会人になった私は、徐々にこの自宅図書館化計画に取り組みました。

洋服にも食べ物にも興味がなかった私は、読んでみたい本を片っ端から買いました。

本はどんどん増えていき、当然読むスピードは追いつかないので、常に読んだことのない本が家にある、という「自宅図書館」は着実に大きくなっていきました。

 

しかも、本物の図書館と違うのは、自分の興味のある本ばかりが揃っていることです。本棚にあるどの本も、タイトルを見るだけでわくわくするようなものばかり。

とても幸せでした。

 

ところが、その幸せはある日崩れました。

引っ越しの際、引っ越し先の床面積と収納と関係で、荷物の置き場所が足りないということがわかったのです。

もともと私の荷物は本ばかり。

洋服や雑貨を処分したところで、たいしたスペースは空きません。

引っ越し先の図面と、家具のサイズや本の量を必死で計算した結果、本を半分の量に減らさないといけないことがわかりました。

 

私は「本は外付けのハードディスク」と考えていたし、手にした本はずっと手元に置いておきたかったので、処分するということが一切ありませんでした。

 

ですが、倉庫をレンタルするのも現実的ではなく、実家に置ける分は実家に送って、引っ越し先に置けない分は処分することにしました。

 

元の量の半分になった本ですが、引っ越してみるともっと本を減らさなければ荷物が収納できず、さらに処分しました。

結局、最初に持っていた本の約三分の二を手放しました。

 

それからまた徐々に本は増えていきましたが、時々は読み終えた本を処分するようになりました。社会人になってからはDVDもよく購入していたので、これも時々処分します。

 

そして、今日も処分する本とDVDを整理しました。

 

読んでない本を処分することも多くなりました。読むペースも遅くなり、読む時間も減ってきました。

本の買い方も考えないといけないのかな、と思います。

 

小学生のころ新しい本が買えずに、読み終えた本を何度も読んだこと。

あの時は新しい本が欲しかったけれど、でも読書の時間としてはあの時の方が

豊かだったのではないかと思います。

 

年齢とともに本との向き合い方を少し変えようかと、最近は思うのです。